「食べれるもんがない」

治療のため、食事にさまざまな制限がある利用者さんから聞いた言葉です。

ご本人は何も考えずに食べているわけではありません。

自分なりに調べ、注意し、工夫しながら、食べられるものを選んでいます。

それでも、教科書的に見れば「避けた方がよい」とされるものが含まれることがあります。

そんな場面で、正しい知識をそのまま伝えることが、本当にその人のためになるのだろうか。

考えさせられました。

正しさだけでは、生活は続かない

専門職として、伝えなければならないことがあります。

身体への影響や注意点を、曖昧にしてよいわけではありません。

でも、正しいことを一方的に伝えるだけでは、その人の生活から食べられるものも、楽しみも、どんどん減ってしまうことがあります。

私たちが訪問しているのは、病院の中ではありません。

その方が毎日を暮らしている場所です。

知識としての正しさだけでなく、その方が何を大切にしているのか、どこまでなら続けられるのかも、一緒に考える必要があります。

伝えることと、受け止めること

何でも「いいですよ」と言うことが支援ではありません。

反対に、一般的な知識を当たり前のように押しつけることも、支援とは違うように思います。

伝えるべきことは伝える。

そのうえで、ご本人の思いや、これまでの暮らし、現実的にできることを聞く。

その間で、一緒に考える。

言葉にすると簡単ですが、実際にはとても難しいことです。

正解は一つではない

同じ病気や治療を受けていても、暮らし方や大切にしたいことは一人ひとり違います。

だから、誰にでも同じ正解が当てはまるわけではありません。

安全を守ること。

食べる楽しみを残すこと。

無理なく続けられること。

そのどれか一つを選ぶのではなく、その人に合った幅を一緒に探していく。

今回の訪問では、改めてその難しさを感じました。

正解を教える人ではなく、一緒に悩み、一緒に考えられる人でありたい。

だんけでは、その人の生活から離れずに考えることを大切にしています。


※掲載内容は個人が特定されないよう、一部を一般化しています。治療や食事に関する判断は、主治医や関係する専門職と相談しながら行う必要があります。

訪問看護ステーションだんけでは、一緒に働く看護師・セラピストを募集しています。正しさを押しつけるのではなく、その人の暮らしに合った支援を一緒に考えたい方は、採用情報もぜひご覧ください。